君の心をすべて手に取れたら,どんなに楽なことだろう。顔の表情に出ない,心の中の感情のひとつ,ひとつ。すべてを知りえたとき,そこにあるのか,理解か,断絶か。
5日,設立されたポインテラ社は,ナップスター型のファイル共有と検索システムを,個人のハードディスクのすべてのファイルに広げ,ポータルサイトがそれを使用できるようにする。すなわち検索結果として,個人のハードディスクの中身へリンクをはるもの。ユーザーは,ヤフーでサイトを検索するのと同じように,世界中のハードディスクから希望のファイルを取得することができる。
サイトの検索エンジンでは大量のゴミに戸惑わされる。ポインテラにも同様の不安があるが,検索のためのインデックス作成技術が,この技術の「核」だという。検索だけなら,グヌーテラだけでできる。その共有するファイルのインデックス作成の技術を売りに出しているといっていい。もし,インデックスが適切であれば,共有されているすべてのハードディスクの,恐ろしいほど膨大なデータ(5億個のハードディスクとポインテラ社は見積もっている)が,ひとつの掌に乗っかっている,という感じ。その思想は,とても興味深い。ネットワークの究極の目標,その到達点が,そこにある,のか?
だが,人は本質的にわかりあえないところで,お互いが繋がっている。逆にいうと,すべてをわかってしまったら,相手の知ってはいけない部分まで知ってしまう。そして,その結果,繋がりを維持できなくなる。知らないで幸せなことは,多い。秘密は,心を守るための大事な武器とも云える。もちろん共有ファイルは選択できるが,その共有ディレクトリから,PC全体への入口を作り出せる可能性は残る。さて,あなたのハードディスクの中身の秘密の部分,どう?
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